寄り道ブログ
寄り道な人生をしています。読んだ小説や、見た映画・アニメの感想などを投稿していきます。
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TV特撮ドラマ 仮面ライダーウィザード まるごと感想
ウィザード

 指輪の魔法使いも無事(?)に大団円。特別編をまじえた特殊な構成でしたが、単体で見れば良質だったとしても、シリーズで見ている人には物足りない作品になったのではないでしょうか。

【概要】
 魔法をテーマにした仮面ライダー。平成二期の仮面ライダーは数字の要素が含まれていますが、仮面ライダーディケイドは一枚のカード、仮面ライダーWは二本のメモリ、仮面ライダーオーズは三枚のメダル、仮面ライダーフォーゼは四つのスイッチでした。
 そしてウィザードは、さすがに五つのコレクションアイテムをベルトに装着することは不可能だったようで、五本指の一本にはめる指輪として、ウィザードリングが登場。ベルトに五本指の手形がついているのも、5をモチーフとした結果でしょう。

 絶望したゲート(素質のある人間)からファントムが生まれ、ゲートは死んでしまう。主人公の晴人も、ドラゴンファントムを身に宿した魔法使い(仮面ライダー)で、ファントム誕生の瞬間をなんとか克服すると、魔法使いになれるようです。でも、ベルトと指輪がなけりゃあいけませんし、それらは白い魔法使いと呼ばれる存在が用意したり、遺跡に古代のベルトが残っていたりするようです。
 作中では「仮面ライダー」という名前は、確か出てこなかったですね。バイクにはけっこう頻繁に乗りましたが、そのバイクはドラゴンを制御する鞍にもなるようで、どちらかというと竜騎兵(ドラゴンライダー)という意味合いの強いネーミングだったのでしょう。でも、それならそれで、もっとドラゴンにまたがって欲しかったなぁ・・・。

【デザイン】
 第三の目や触覚はありますが、昆虫のような大きな複眼は存在しません。シルエット的にもまんまるで、ちょっとハゲているように見えてしまうのは難点ですが、後頭部がまんまるしているのはけっこういますから、そこまで気になりませんね。顔は魔法石のきらめきもあってけっこうかっこいい。

 属性ごとのスタイルがありますが、スタイルごとに顔の形が違うのは、これまたちょっとダサかったかな。基本のフレイムと、ウォーターの菱形はまだかっこいいですが、ハリケーンやランドの顔の形は、ちょっとダサいと思いました。動いたらかっこいいという、仮面ライダーを見る上でよく起こる現象もありますが、ウィザードは基本がかっこよかったので、それ以下になるとやはりダサさが強調されますね。顔の模様(フレーム)が変化するのではいけなかったのかな。

 でも、○○ドラゴンという、各スタイルの上位版や、それらで装備する各ドラゴンパーツをひとつに合わせたオールドラゴン、涙の魔法石で変身できるインフィニティスタイルなど、設定やデザインは基本的に大好きな部類でした。それに伴う、いい脚本がなかったのは残念ですが・・・。

 指輪というアイテムは、魔法石といった要素などとも絡めて、とてもうまい設定だとは思いましたが、変身ポーズがかっこよくないということ、使う際にベルトに手をかざすという動作が、とてつもなくダサいのは考えようでした。ソードガンに可動式手形があって、それと握手したり、アックスカリバーの手形とハイタッチしたりといったギミックはかっこいいんですがね・・・。

【ストーリー】
 まず設定に難があったというか、下手すれば「人が死ぬ」というダークな設定なのに、それをまったく活用できていないというか、主人公たちがどこか呑気で緊張感がなかったのが、一番に気になったところです。
 仮面ライダーWあたりから定型化していた、いわゆる「ゲスト依頼タイプ」のストーリーだったのも、そろそろ飽きてくる展開ではあるのですが、設定との親和性は高かったので、魅力的なゲスト、もしくはストーリーや、簡潔かつ興味深い短編が、ハラハラする展開がいくつも作れていれば、評価はだいぶ変わったと思います。

 意図して少なくしていたのかと疑いたくなるほど、主人公晴人とコヨミの話も少なく、彼がコヨミをどれだけ大切にしていたかも、いまいち伝わってこなかったのが残念。伝わってきていれば、彼の必死さに共感できたのですがね・・・。

 最後に特別編が2話放送されるという特殊な形態になったウィザードですが、その特別編の方が面白いと言われてしまう始末。それもまぁ、本編が面白ければ、そんなことはなかったと思うのですがね。魔法使いというのなら、もっと魔法を生かした展開にして欲しかったですし、けっきょくファントムというのも、今までのドーパント、ヤミー、ゾディアーツと名前が変わっただけで大差ないですし、震災以降、人死にを避ける展開にしていたのなら、そもそも「死んでしまう」みたいな設定をつくったこと自体が不要でしょう。活用できない設定は死に設定でしかありませんからね。

 平成二期は同じ「ゲスト依頼タイプ」のストーリーだったとしても、その主軸には「探偵と記憶」だったり「欲望とメダル争奪」だったり「宇宙と青春」だったりと、それぞれ「らしさ」がありました。しかし、ウィザードに「ウィザードらしさ」があったかというと微妙なところで、絶望や希望といったワードは頻繁に出てきていましたが、出てくるだけ、という感じでした。本当に、視聴者が絶望してしまうくらいの絶望的状況が作中にあったか? という感じ。
 視聴者を絶望させるくらいでないと、この「希望と絶望」というキーワードは使っちゃいけないでしょう。登場人物だけが絶望しているのではダメなのです。「なんで絶望してんの?」みたいな感想を、視聴者は持ってしまいますからね。

 それに、晴人の終盤付近の「コヨミ至上主義」という人間性を考慮するなら、それを最初から徹底させ、他人を助けるようなことをしなければ、「晴人らしさ」として確立されると思うのですがね。仮面ライダーナイトの秋山蓮や、仮面ライダーカブトの天道総司のように。そこが徹底されていなかったからこそ、晴人が共感も得られず、親近感も得られず、好感も得られなかった理由でしょう。

 人は「一貫性」を好みますから、晴人というキャラクター性がブレていたのは、脚本的にも作品的にもかなり致命的な部分だったと思います。もちろん、ストーリーの途中で価値観が変化したりすることはあってもいいのですが、そのためには、それ相応の理由・視聴者を納得させるだけの理由が必要です。それすら用意できていなかった、というのがこの作品でしょう。

【総括】
 概ね語り尽くされているように、デザインはよかったけど話がダメだった、というのがウィザードへの評価です。そして、それだけなら別にいいのですが、一年間楽しむはずの仮面ライダーであまり楽しめなかったというのは、個人的にはかなり辛い部分でもあります。時間の消費量もそうですけど、できることなら楽しみたいのが本意ですし、なんとか楽しもうという努力はしていましたから。ビースト関連は面白い話が多かったですし。

 脚本をよくするためには、設定に準じてダークな展開も織り交ぜていくか、そもそもの設定から見直す必要があるでしょう。それと、晴人の一貫性。これさえ踏まえるだけで、全然変わってくると思うのですがね・・・「一貫性」があれば、どんな人間性でも愛されます。猟奇的殺人犯のような悪役にだってファンがいることからも、それはわかるでしょう。ファントム関連の説明が不十分だったのも気になりますし、語らなければならないところを語らず、語るべきところを語っていないという、チグハグな作品でした。

 作り手は、もっと見ている人を意識して、見ている人の視点も考えて、作品を作るべきじゃないかと偉そうなことを言ってみたりして。
 楽しめた人には気分の悪い感想かもしれませんが、シリーズ通して見ている人なら、明らかに物足りないのは明白です。せめて、最低限「ウィザードらしさ」が感じられたらなぁと思うところ。魔法の指輪も、もっとひとつずつ大事にして、それを活用するような話作りをしてほしかった・・・単なる便利アイテムと化していて、ほとんどの指輪に思い入れがないのが、ウィザードという作品の全てを物語っているのではないでしょうか。
コメント
コメント
晴人は基本的に人の為に動くというのはぶれてないと思います。終盤のコヨミ至上主義的な行動もフェニックスに凛子が攫われた時の反応を見ると晴人は誰かに危険が及ぶとそれしか見えなくなるのでしょう。

変身ポーズやデザインは好みがありますから、一概に悪いとは言えないと思います。

ファントムを生んだら死ぬというのは終盤使っていたので死に設定ではないと思います。

魔法らしさというよりは、人を探し時に使い魔を使わなかったり、物を守る時にコネクトを使わない事が気になりました。

コヨミと晴人の話は序盤に少しあっただったので、もっとあっても良かったですね。

仮面ライダーと言う単語は劇中使ってますよ、一応は。
2013/10/04(金) 09:07:38 | URL | #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
ゲストさん、コメント、およびご指摘ありがとうございます!

ゲストさんのコメントを読み、ウィザード本編、そして私の記事をあらためて確認してみましたが、晴人に関しては、確かに間違った見解だったようです。キャラクター性がブレていたというより、当初は「よくわからない人」というのが第一印象でした。

戦闘の際に、強いリングを出し渋ったり、よく敵を逃がしたり、アンダーワールドへ行くほど切迫した事態でも妙に落ち着いていたり・・・クールキャラだからかもしれませんが、必死さがあまり伝わってきませんでした。戦闘シーンって、そういうキャラクターの心情描写にもなっていると思いますから。
「俺が最後の希望だ」というセリフが先行していて、それに準じる展開にするためか、彼は「最後」の出番となってしまうことが多い気がします。でも、たいていのパターンだと事前にやられていたりするので、そんな彼が「最後の希望」と言われても、頼りなく思えたり。彼自身が希望だと主張するより、もうちょっと控えめに、「希望を守る者」みたいな立ち位置なら、しっくりきた気がします。

変身ポーズの好みは確かにあると思います。ですが、今までのシリーズでは、私は変身ポーズは「真似したくなる」ものでしたが、ウィザードに関しては「もっといいポーズはないものか」と自分で考えちゃうくらい、私の感想が違っていました。もともと相撲の土俵入りをイメージしていたポーズですが、せめて動作のひとつひとつを、キッチリ緩急つけてくれるか、個性的なポーズにしてほしかったです。白い魔法使いの変身は好きでした。

ファントムを生んだら死ぬ、という設定は、おっしゃるとおり後半で登場したので、「死に設定」というのは言い過ぎだったかもしれません。でも、序盤に登場して「人が死ぬぞー」という恐怖感や重い空気をつくっておいて、その実、本筋ではほとんどなかったことを考えると、「設定を上手に活かしていた」とは言えないでしょう。

「魔法らしさ」に関しては、今までの平成二期ライダーは、多いコレクションアイテムを的確に使用するための相棒がいましたが、本作は晴人一人で選択しなければならないためか、それとも予算の関係か、同じリングばかり使っていた印象があります。というか、そもそも剣や銃、足をつかった戦闘が「魔法」っぽくはないですよね。指輪をどんどん付けかえてバンバン魔法をつかった方が、魔法使いらしいですし、アイテムである多くの指輪も活かせたと思うのですが・・・。

使い魔も、そもそも「人探し」くらいにしか用途がないのが、出番の少なさ、印象の弱さの原因ではないでしょうか。あとはせいぜい、空が飛べる、水に入れる、くらいの差異しかないようですし。組みかえ合体は数少ないものの一応登場しましたが、これもどれだけ素晴らしい効果があるのか、よくわかりませんでしたし・・・。合体した方が、的が集まって破壊されるリスクとか高まりそう。

仮面ライダーという単語については、不覚ながら覚えていないっぽいです。フォーゼ映画の「みんなで宇宙キターッ!」では、フォーゼに「あんたも仮面ライダーだ」みたいなことを言われていたと思いますが、本編中にはあったかな・・・? 鎧武にライダーの称号を託すときにも言ったかもしれませんが、作中であまり出てこなかったので、ウィザードがライダーを鎧武へ継承させるのには違和感がありましたね。

改めて総括させていただくと、大筋やテーマ、要素などは素晴らしかったです。しかし、細かいところが気になってしまったのがすべてだと思います(敵の見逃し、敵の意味不明な撤退、ひみつ道具的に登場して役目が終わる指輪たち、大差ない使い魔、ゲートを郊外へ逃せば安心という解決法など・・・)。終始、精細さを欠いていたというか。「理解できなくもない」展開が多く、それは「よくわかる」展開と比べると、そのまま不信感や不安感となってしまうことが多いのですが、まさにそれだった感じ。
ちょっと設定を付加させたり、説明セリフを増やしたりするだけで、こういうのはかなり改善されたと思うのですがね・・・なんでも説明するような文化はあまり好きじゃないですが、ウィザードはむしろ説明不足を感じました。そのせいで、腑に落ちないところが随所にあったというか。

でも、ゲストさんのコメントにて、私の感想にもまだまだ穴があるとわかりましたし、もう少し深く読み解くべきだっただろうと反省しています。そういう気分にならなかったのがウィザードという作品ですが・・・まぁ、いち一般人のとるにたらない感想だと思っていただけると幸いです。

ゲストさん、コメント本当にありがとうございました! それと、長くなってしまって申し訳ありません(汗 感想記事くらい長いなコレ・・・
2013/10/04(金) 23:39:15 | URL | itimonji #- [ 編集 ]
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