寄り道ブログ
寄り道な人生をしています。読んだ小説や、見た映画・アニメの感想などを投稿していきます。
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TVアニメ selector infected WIXOSS まるごと感想
WIXOSS.jpg

 6月終了アニメのうち、個人的に気に入ったアニメの感想を書いてみようと思います。単独で何かアニメを取り上げるのは久しぶりでしたが、重たいわたしの腰をあげるくらいには、パワーのある作品でした。

●あらすじ
 人見知りで何を考えているかよくわからない主人公・るう子は、流行しているカードゲーム「WIXOSS」のルリグカードをひょんなことから手に入れ、セレクターバトルに巻き込まれていきます。「ルリグ」とは、「セレクターバトル」とは、そして、その先にある「夢限少女」とは・・・それらをストーリー進行と共に解き明かしていくのが、主な内容と言えるでしょう。

●カードゲーム・アニメ
 本作は、タカラトミーが仕掛ける「WIXOSS」の販促アニメ・・・と言いたいところですが、いわゆる他のカードゲーム・アニメとはちょっと毛色が違いました。企画スタッフさんの話を、雑誌「カードゲーマー」などで読みましたが、「カードのためのアニメ」みたいに、アニメを広告塔やCMみたいには扱いたくなかったようで、「カードはカード、アニメはアニメで楽しんで欲しい」というスタンスだったようです。これが成功だったかどうかは断言しませんが、少なくとも客観的事実から「アニメのみ楽しんでいる層」と「カードのみ楽しんでいる層」と「どちらも楽しんでいる層」がいるように見えるので、それだけでも目論見どおりだったように思います。
 カードゲーム・アニメは、だいたい「カードのアニメ」という、カードに重点を置いたバランスを感じますが、本作は、「アニメに出てきたカードが発売!しかもちゃんと遊べる!」という、どちらかというとアニメに重点を置いている感じで、それがまた変わった流行り方をしたように思います。さらに言えば、アニメに重きを置いている分、カードの都合に左右されず、かなり自由にストーリーを展開させられたようで、それがまたカード側の隆盛に貢献したように思います。
 「バトル描写を細かくしない」というのも、普通の販促アニメではありえないかもしれませんが、1クールという尺と、スムーズに話を進める上では、意外にピタッと本作のテイストにはハマっていました。使用カードや、プレイスタイルなどでキャラクターの表現はできませんでしたが、それも各キャラの考え方や、パートナーといえる「ルリグ」が担ってくれていて、じゅうぶん全員が個性的に描かれていたでしょう。

●セレクターバトル
 鮮烈なOPやEDにけっこう惹かれたところのある本作ではありますが、このWIXOSSをつかったセレクターバトルという設定も、本作の根幹にして、ほぼ全容であると言えるでしょう。
 というか、本作はこのセレクターバトルのルールを説明し、そして徐々にその真実が解き明かされていく・・・というのがメインでした。そして、それだけでじゅうぶん面白く感じるのは、このセレクターバトルの構造がいいんでしょうね。救いがあるように見えて、まったく救いがない。ルールやバトルの真実が少しずつ明かされていきますが、最後の最後まで、「希望がありそう!」と思わせる手腕が見事でした。だからこそ、突き落とされたときの逆カタルシスみたいなものが、むしろ心地よい。

●分割2クールという手法
 個人的には、そこまで好ましく思えない分割2クール手法ですが、本作のように好きな作品だと「ヒャッホウ!」と思えるから不思議ですね。
 それに、大抵の分割2クールはいったんキリのいいところまで話を進めたりするので、本作のように絶望的かつ尻切れトンボな終幕になることがありません。一応、本作も本作で、キリのいいところで終わったとは思いますが、けっきょく救いはない状態ですし、まだまだ気になる要素が散りばめられていましたから、それらの回収という意味でも、2クール目はむしろ大歓迎といったところでした。マジンガーZに対するグレートマジンガーみたいな(わたし、この例えよく使うなぁ・・・)。
 けっきょく、好きな作品であればどういうものであれオールOKという、案外理不尽な意見かもしれませんが、それでも、これほどいい感じで尾を引いたのはすごいように思います。本作のあの流れで、ハッピーエンドで1クール目が終わっていたら、それこそ今までの流れや雰囲気、テーマを無視しちゃうように思いますし、強敵にしてラスボス位置だった伊緒奈が「願いを叶える条件が揃っていない理由」や、その「願いの内容」がずっと伏せられていましたから、それらがラストの絶望的ENDに繋がるとすれば、実は順当な、スッと腑に落ちる内容だったと言えます。当然の帰結というか、意外に見えて、むしろ全然意外じゃない真っ当な結末というか。
 そんなラストでありながら、主人公が絶望する内容だったからこそ、そこからの挽回という意味で、続きが気になりますし、だからこそ2クール目が楽しみです。ちゃんとキリよく終わり、なおかつ続きが気になるENDって、なかなか秀逸だったりするのかな。というか、他ではあまり類を見ない終わり方だったことは間違いないでしょう。

●作画、演出、音楽、脚本
 岡田麿里さんの脚本は、恋愛要素が必ずといっていいほど入っていたりして、個人的には当たり外れのある印象なのですが、こと本作に関しては、その役目が遊月に一任されていて、「パターンの中の一つ」として見せてくれたのがよかったですね。メインではなくて。AKB0048での友歌みたいな感じ?
 セレクターバトルに敗北したパターン、勝利して夢限少女になるパターン、戦闘中断によるペナルティを負ったパターン、勝利目前でルリグ(パートナー)に拒否されるパターンなどなど、セレクターバトルに関するルール説明的に、色んなバリエーションを見せてくれて、極端なことを言えば終始「セレクターバトルの説明」で終わった気もしますが、素晴らしい作品とはけっきょく「説明」だったりしますし、そういう点で本作は素晴らしかったことでしょう。SF作品とかは、つまるところ「世界観の説明」ですからね。
 作画に関しては、よくも悪くもないという感じでしたが、はじめて戦闘空間に入ったときは驚きましたし、おどろおどろしい空間の演出なども素晴らしい。OPもそうですが、バトルフィールドにたたずむタマ(主人公るう子のルリグ)をぐる~っと長回しで映したり、「おおっ!?」と思えるシーンが何度もあって新鮮でした。OPに効果音が入るという、古臭いながらもむしろ新しい演出も楽しかったですね。
 音楽についても素晴らしく、戦闘中のハラハラ感やワクワク感、どんよりした雰囲気、切ない雰囲気など、どれも素晴らしく、自然と耳に入ってきてこびりつくようなBGMばかりでした。「BGMはサポートに徹するべき」という意見もあるかもしれませんが、いいBGMというのは自然と耳に入ってきて印象深く残っていくものですし、そういう方が好きなわたしとしては、WIXOSSのBGMはいいものばかりでした。
 ノイズ系の雑音を多用した効果音周辺もよかったですね。バトル時の効果音も耳に残っていますが、特にルリグを「グロウ(進化)」させるときの音は、ビームライフルや瞬間移動、ATフィールド展開のときのような、作品を代表する効果音と言ってもいいと思います。

●総括
 わたしの中で、けっこうな位置にランクインしてくれた本作ですが、やはり印象としては「まどか☆マギカ」に近い、というのがありますね。それを「パクリ」と評するか、「別方向からのアプローチ」と見るかで、ずいぶん変わってくると思います。
 また、ガッチガチのカードゲーム・アニメを期待した人にとっては、カードゲームの描写カットなどはカードを蔑ろにしているように見えて、そこも場合によっては減点ポイントでしょうね。まぁ、カードゲーム・アニメは常識にとらわれない、はっちゃけた内容が多いですし、そういった視聴層はちょっとやそっとの内容では動じないでしょうから、こういう内容でも、むしろ許容して楽しんでいたようには思います。
 絶望ばかりでなかなか希望を見出せない内容でしたが、死人が出る戦争モノでこそ、生の尊さが語れるものですし、本作も、まだ微妙に希望への道筋は残されているように思います(ルリグとなった伊緒奈、伊緒奈に成り代わった伊緒奈のルリグ『ウリス』、いなくなったタマ、タマが出会っていた謎の少女、遊月とバトルした謎の少女、バトル中断のペナルティを受けたアキラッキーこと晶など・・・)。それらの要素はまだ健在で、むしろこれから本領発揮という感じなので、それらが今後どういう風に話を展開していくかに超期待です。るう子のおばあちゃんと、タマの発言の相似も気になるところですしね。

 というわけで、selector infected WIXOSSまるごと感想でした。

 カードを探し求めて夢限おっさんと化してしまうくらい、本作にはどっぷりとハマってしまいました。休日を一日ふいにするくらいカード探しに奔走したこともありましたし、「好き」のパワーは改めてすごいなぁと実感するくらいでしたね。
 そこまでハマらずとも、のんびり系やのほほん系ばかり見て、たまには込み入った話が見たい、凝った話が見たいという人にはオススメかもしれません。まぁ、わたしみたいな人には、それこそジャストフィットな内容だったということです。このままなら2クール目も安心して見れそうです。遊月の話もほとんど終わってるっぽくて、岡田さん脚本の特徴である、そして個人的にはあまりメインではやってほしくない「ラブストーリー」は、もうほとんど描かれなそうですからね(フラグ?)。
 あ、ちなみに、決して遊月のエピソードが嫌いなわけではなく、「恋愛」を作品の主軸に据えるのが嫌いなだけなので、本作に関しては、その心配はなさそうですけどね(否応にも、主人公るう子とタマのことを描く内容になっていきそうですから)。
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