寄り道ブログ
寄り道な人生をしています。読んだ小説や、見た映画・アニメの感想などを投稿していきます。
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特撮 仮面ライダードライブ まるごと感想
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久しぶりのまるごと感想、しかも仮面ライダー! ですが、直近の映画も見に行ったことですし、むしろ感想しないわけがないという流れがわたしの中にありました。色々なことを私情・私念まじりにダラダラとくっちゃべるので、読む際はじゅうぶんご注意ください(オイ

【あらすじ】
刑事で主人公の泊進之介は、グローバルフリーズという大事件中に相棒を失ってしまい、腑抜けたまま日々を過ごしていた。そんなときに出会った新たな相棒・詩島霧子と奇妙なベルトのお陰でエンジンがかかり、怪事件を起こすロイミュードたちを倒していくことに。

その中で、霧子を助けた恩人のプロトドライブがロイミュードとして改造されていたことや、霧子の弟・剛がアメリカから戻ってきて、ネクストシステムを搭載したベルトにより次なるライダーとなっていたこと、詩島姉弟の父・蛮野天十郎がロイミュードの生みの親であり、さらにはベルトにデータ化した意識を入れたクリム・スタインベルトの元同僚であることなどが判明していく。

最終的に第二のグローバルフリーズを起こし、人間をデータ化することで完全管理、世界の支配を目論んだ蛮野を倒すことに。その間に、ロイミュードへの理解を深めていった進之介は、彼らを絶対的な悪と断じれなくなっていた。ロイミュード側も、人間にはある種の敬意や憧憬のような気持ちが芽生えており、蛮野を倒すことと同時に、人間VSロイミュードの戦いにも終止符が打たれることになる。

【ライダーデザイン】

昨今のライダーは、基本フォームにも「○○フォーム」のような名前が付いていることが通例となり、ドライブも例外ではありませんでした。そんなドライブの基本フォーム「タイプスピード」は、艷やかな赤が高級感を感じさせ、スポーツカーの意匠がそのまま盛り込まれた、そのまま「車の擬人化」と言っちゃっていいくらいの「車感」がありました。特に背中側の「車体の下側」のようなゴチャゴチャしたディテールなども、地味に凝ったデザインだと言えるでしょう。ひときわ強烈なインパクトを与えてくれるたすき掛けのタイヤですが、これについては、最初こそ違和感があったものの、ライダーデザインにありがちな「慣れ」でどうにでもなるものでした。苦痛は忘却しようとする脳の機能だとか言いませんよ、ええ。

キカイダーのようなW、アクマイザーのようなオーズ、キョーダインのようなフォーゼなど、平成二期ライダーには、今までのライダーのオマージュとは違い、「石ノ森ヒーローのオマージュ」が、デザインとして加えられていることが多いようです。マニア向けを狙った・ネタ切れ・作っている側がそのあたりを好きな世代などなど、色々と理由はつけられますが、まぁ「なぜオマージュしたか」は置いておくとして、ドライブにも、どうやら「胴体が斜めにちょんぎれている」ヒーローか何かのデザイン元があったようです。それを知っていたのもあって、タイヤはデザインとして盛り込むにはこうするしかなかったでしょうし、そのデザイン元の奇妙な風体に比べたら、なんだかドライブは「しっくり」くる感があります。この感想もすでに「慣れ」が入っているかもしれませんがね。


ライダーの特徴として、やはりベルトがあります。デザインとストーリー、どちらが優先して作られていたかはわかりませんが、ベルトに顔がついているというのは、けっこう挑戦的なデザインと言わざるを得ません。しかし、それをわざわざ、しかもかなり本体の大半を占める位置で持ってくるあたり、「顔」はデザインのメインでありギミックの目玉なのでしょう。声の演技でクリス・ペプラーを持ってきたのも、彼のファン層を狙ったところがありましたが、ペプラーさんもノリノリだったような気がしますし(俳優として出演もしました)、「ベルトさん」がキャラクターとしてしっかり立っていたので、そのお陰でベルトのデザインも特に気になりませんでした。まぁ、他のライダーの奇抜なベルトに比べれば、タコメーターに変化したりマークを表示したりするドライブドライバーは、全体的なデザインから見てもむしろ「カッコイイ」部類に入りますからね。設定的な類似点でいえば、キバのキバットベルトが近いかもしれませんが。

ベルトついでに、ある意味ドライブドライバーの最大の特徴であるシフトブレスについても言及しておきます。シフトブレス自体は、ドライブドライバー同様スタイリッシュな外見をしている以外は、それほど語ることのないデザインをしていますね。親機にとっての子機みたいなものですし、そちらについてのコストはあまりかけてなかったかのような簡素な作りですが、やはりドライバーとブレスの最大の特徴は「赤外線通信機能」。シフトカーというアイテムがシフトレバーのように変形し、それをレバー操作させる、というギミックありきで作ったようなシステムなので、結果的にグッズの値段が高くついてしまった気もしますが、そういった固有ギミックは「ドライブらしさ」に繋がりますし、普段車に乗ってお父さんのレバー操作を見ていると、もしかすると真似したくなるかもしれません(ニッチすぎ?)。そんな運転願望を叶えるギミックではあったと思いますし、本作ではライダーのことを車と形容するシーンが多々ありますから(運転や試運転といったセリフなど)、変身ポーズもブレスを活かしたポージングになり、結果的にそれらが「ドライブらしさ」に繋がっていったので、いいギミックだったと言えるでしょう。ただ、シフトカーの種類だったり、それによって得られる効果、そして結局は「タイヤコウカーン」ということだと考えると、必然的にそれらの描写が少なくなっていったという本編的事情も考えると、ドライブの残念なところのひとつかもしれません。


話をデザイン面に戻し、タイプワイルド、タイプテクニックについて語りますが、主人公のフォームチェンジで、ここまでガラッと様変わりするのはけっこう珍しく感じました。Wやフォーゼ、ウィザードや鎧武なんかは、やっぱり基本のベースデザインがあり、そこにフォームごとのアレンジが加わる、という感じでしたからね。オーズはオーズで、各部位がゴロっと変わるというのがもともとのテーマでしたし、胸の三等分されたサークルや黒タイツなど、意外にベースデザインは一貫しているところがありましたからね。しかし、ドライブのワイルド、テクニックは、そういう部分さえ無視して、もはや別のライダーじゃないかというくらいガラリと印象が変わりますが、「タイヤ」がどこかしらに装着されるという部分は共通していて、さらに言えばオフロード車のようなワイルド、特殊車両のようなテクニックではそもそも「車が違う」のでしょうし、そういう意味では別ライダーのように変わるのはむしろコンセプトどおりなのでしょう。


そんなときに颯爽とあらわれたのは仮面ライダーマッハと、二人が兼用して使うことのできる特殊なシフトカー・デッドヒートでした。マッハのデザインは、赤・黒基調なドライブとは正反対の青・白が基調で、全身のマッシブな感じはどことなく白バイなんかを想像します、正真正銘の「ライダー」ですし、ヘルメット的な頭部をしていますからね。そして結構凝っていて個人的にも大好きなのは、ゼンリンシューターと右腕、そして右肩にあるシグナルが、すべて込みで「バイク」の形になっていることです。ドライブ同様、「なんであんな位置にタイヤが?」と思わずにはいられませんでしたが、タイヤそのものがコウカーンによって変化するドライブと違って、マッハはシグナル(マーク)が変更されるのみ、しかも標識みたいなデザインは、やっぱり車や二輪車に関連する「道路」の要素が入っていて、しかも武器の「ゼンリンシューター」がなぜ前輪なのか、ということへの回答にもなっていました。射撃武器で近接攻撃もできるところは有能ですし、さらに右腕にある座席のような突起物、そして右肩のシグナルがバイクの形状を形成していて、しかも後輪がシグナルになっていることは、そのままマッハが扱う「シグナルバイク」のデザインと一致しているのも気持ちがいいです。


デッドヒートは、その登場も「デッドゾーンに入るハート」に対抗するために出てきて、変身時には爆発なんかも伴っていつもの採掘場での激闘だったので、その強さはかなり印象に残りました。マッハと兼用というのも面白いですし、デザインも車とバイクがデッドヒートを繰り広げているように見えるのがイイ(結局はサイドカーですし、折りたたんでシフトカーっぽくなりますが)。変身アイテムが兼用ということで、デッドヒートの姿も二人が混ざったようなデザインなのは、比較的大人しいドライブに関しては奇抜すぎて戸惑ったり驚いたりしましたね。オモチャでも再現するためか、デッドヒートドライブの後頭部にデッドヒートマッハの頭部があったりしたのは、デザインのカッコよさよりもその後のグッズ展開のしやすさを重視したり、ある種の開き直りっぽくあるこだわりが面白い。しかし、マッハの強化フォームがなかった都合もあるのか、ドライブではほとんど使用せず、「兼用」という要素があまり活かせていないままマッハ専用みたいになってしまったのは残念でした。デッドヒートから次のフォームであるフォーミュラーまであまり間がありませんでしたし、マッハの強化フォームが実質ないこと、デッドヒート販促期間が短かったのが、活躍の少なさやマッハ専用になってしまった遠因でしょう。


続いて登場したタイプフォーミュラーは、もともとカッコイイデザインをしているF1カーがモチーフということもあって、かっこ悪くなる理由がないというくらいしっくりくるデザインでした。登場がそれなりに危機的状況ということや、乗り越えるべき障害が大きかったこともあって、フォーミュラーが、いわゆる「中間フォーム」と言っていい立ち位置でした。随分様変わりしたワイルド、テクニックに比べるとスピード→フォーミュラーというのは、純粋に速さを強化したという印象がありますし、状況に応じた今までのフォームチェンジに比べるとスピード→超スピードというのも「強化」した感があり、それが中間フォームっぽさになっているのでしょう。頭部もゴーグルが追加されている以外はほとんどタイプスピードっぽい顔立ちをしていますしね。用意されていた障害も「強化された重加速の空間」で、スピードをさらに特化させなくてはならない状況になっていたのは実に巧妙でした。ただ、突出した胸部デザインのせいでアクションが制限されてしまったことや、フォーミュラーをサポートするシフトカーたち(スパーナやジャッキー)が、用途が限定的なこともあってあまり活躍しなかったこと、両腕のタイヤはいいとしてフォーミュラーカーのデザインを活かすような両腕を伸ばしたポーズがアラレちゃんすぎてあまりかっこよくなかったことなど、それなりにダメな部分もあったのは残念でした。このあたりはうまくやれば回避できそうだった分、惜しいなぁと感じるところです。後述しますが、トレーラー砲もデザインや「タイプフォーミュラーを安定させる」という設定はうまかったものの、フィニッシュ要因ということもあってあまり活躍できなかったのが痛い&売上にも影響が出た感じでした。

フォーミュラーのボディ各部に貼られているシフトカーのステッカーがどれもいいデザインをしているんですが、フォーミュラーには別に「全シフトカーを操るような能力」がないこと、そしてフィギュアーツではそのステッカーが文字通りシールになってしまうなど、デザイン特化ゆえの弊害が出てしまったのが惜しい(印刷方式にすると値段が一桁あがるそうです)。しかし、それらを犠牲にしてでも、あのデザインにしたというのは評価できます。実際どのステッカーも見応えあるいいデザインをしていますからね。


さて、いよいよ満を持して登場となったのは最終フォーム・タイプトライドロン。フォーミュラーは性質こそ「強化」という雰囲気でしたが、カラーリングは赤→青という正反対に変更となっていました。それに対してタイプトライドロンは、「体がトライドロン」というセリフのとおり、タイプスピード同様の綺麗な赤というのが、これまた「強化」感があって素晴らしい。それに加え、色んなカラーに変化していたドライブが初期フォームの「赤」へ帰ってくるところが「原点回帰」っぽいですし、変身者である進之介自身にも、心がベルトさんと一体化するという異常(?)が起き、心身共に強化された感じがすごく「最強っぽい」です。ドライブは見た目や戦闘描写意外でも、こういう説明などで「強さ」や「ギミック」を用意するのがすごくウマイ印象。それでいて、平成二期ライダーにありがちな「全能力が使用可能」という方面での演出じゃなかったのがよかったです(一応そういう能力はありましたけど、猛プッシュはされてなかった)。さらには、タイプトライドロンになったことでトレーラー砲の最大出力が可能となり、フルフルビッグ大砲としてトライドロン状のエネルギーを放てることになり、こういった部分での描写もドライブの面白いところでした(デザイン面の話ではないけど)。赤基調・タイヤの位置・トライドロンっぽい頭部、カカト部にある小さなタイヤ、操縦者によって目の模様が変わるなど、単純ながらカッコイイ要素がてんこもりで、心と体も強化されているという設定にもシビレるタイプトライドロン。こういう方向性の最終フォームは、ウィザードのインフィニティが近いでしょうか。とにかく、「全能力使用」も好きなフォームではありますが、久々にこういう方向性の最終フォームだったことがすごく嬉しかったですね。この調子だと、このパターンは交互にローテーションしてそうですし、次回作のゴーストでは、コズミックや極のように「全能力使用」タイプの最終フォームが出そうではありますが。


さて、ライダーデザインの話はまだまだ終わりません。我ながら長い・・・。何せ、ドライブはフォームの種類もそれなりに豊富でしたが、何気にライダーの数も多いんですよね。ある意味、フォームも「別ライダー」と数えれば、鎧武に匹敵するぐらいいるんじゃ、というくらいです。とにかく、次のライダーさんの登場ですが、まずは、むしろ一番最初に語っておかなくてはいけなかったかもしれない「プロトドライブ」と、そのリペイント&改造スーツにして最終ライダーの「ゴルドドライブ」について語りたいところです。プロトドライブといえば、本編冒頭で登場し、0話なども作られ、その後魔進チェイサーとして出てきた「グローバルフリーズで戦っていたライダー」ですが、ぶっちゃけ本編での登場・活躍シーンはほぼ皆無。といっても、第1話のシフトカーたちは初披露の見せ場ということもあってかなり凶悪な性能をしていましたし、あれがプロトドライブの力(というか初登場補正?)なのかな、なんて思いますが、重要度としてはベルトさんの最初の相棒にして、霧子の恩人、さらにはロイミュードに改造されるも正義の心を取り戻してライダーチェイサーになるという波乱すぎる転身をしたのが、かなり重要度の高い出来事でした。デザイン的にはドライブを簡素にしたような感じで、たすき掛けのタイヤもなく、その部分は機械が丸出しという、それこそ「試作品(プロト)」らしいデザイン。頭部のウィングも左右が繋がっていないなど、ドライブにある個性を削っているようにも見えますが、玩具などではボディ等がマット(つや消し)仕様で作られていて、ドライブとは違った落ち着いた雰囲気が、プロトなのにも関わらず安心感や大物感を出しています。

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ゴルドドライブはぶっちゃけプロトの色変えという身も蓋もない説明ですが、目が赤いところなどは邪悪さを醸し出す一助となってますし、ドライバーもバンノドライバーなのが「敵」らしさを出してますね。まぁドライバーが本体といっても過言ではない存在ですし、あの顔がウィンドウに浮かんでいれば、誰だって敵意を向けたくなるでしょう(本編での蛮野の行いを思いだしながら)。専用の武器などもなく、能力も「相手の武器を奪う」という、敵らしいもののちょっと低予算を感じる作りだったのは残念ですが、そのラフなファイトスタイルといい、蛮野の傍若無人な性格といい、そして赤い目の狂気具合といい、うまい具合にマッチしていたので、それほどボスとしての役不足感がなかったのもグッド。最後は主人公・・・ではなく息子のマッハにやられましたが、そのマッハも奇跡の変身を遂げてチェイサーマッハとなりましたし、このときの「赤+金」なゴルドドライブと、「青+銀」なチェイサーマッハの激突は、ドライブ同士の戦いとはまた違った因縁を感じ、こういう結末を用意した脚本にはセンスを感じましたね。ちょっとデザインとは逸れた話になってしまいましたが(苦笑)。


ダークドライブやタイプスペシャルについては、映画での感想で書いているので、そちらを参照してもらうとして、一応「ドライブオリジナルライダー」にカウントしていいんじゃないかということで、3号と4号についても軽く語っておきます。この二人は、出典的にはイナズマンやキョーダイン、キカイダーのような「昔の石ノ森ヒーロー」枠での参戦という認識もないではないですが、そもそも捏造に近い存在ですし、元の登場映像などがないことからも、やはりドライブというライダーが「歴史を狂わせる」というキャッチフレーズから始まったことからも、ドライブによって生み出されたライダーという認識がありますし、だからこそ「ドライブで登場したライダー」なのだとわたしは思います。まぁ二人の経緯や出自はぶっちゃけ置いておくとして、デザイン面での話をしますと、NEXT風味のデザインは悪くないのですが、1号、2号からちょっとかけ離れた雰囲気になってしまったのはマイナスに思えて、もう少し1号、2号らしさを残して欲しかったというのが本音です。それか、NEXTっぽくするならもっとそっち方向に舵を切るとか。じゃっかん両者の間の子っぽくて中途半端なんですよね。胸の装甲やベルトなど、全体的なシルエットは悪くないのですが、あのクラッシャー(口)がどうしても気になってしまいます。単体で見ると悪くない、むしろカッコイイのですが、そのライダーが「3号」というところがやっぱり気になるんですよね。歴史が変わった上に捏造に近いライダーなので、デザイン面での共通点が薄れている、ということで納得できなくもないのですが、フィギュアーツでも微妙な顔になっていたりと、そもそもあの顔がちょっとしたバランスでカッコよさが薄れそうな危ういデザインをしているんですよね。そういう意味では、むしろ1号、2号のデザインの安定感を再認識したと言えますが。


3号登場により調子に乗ったのか(オイ)、さらに4号というライダーも登場。こちらは戦闘機乗りということで、軍人のような膨らんだズボンが印象的で、さらにライダーマン踏襲なのか、口元が人間のようなデザインになっているのも特徴的でした。正規ナンバリングがライダーマンのポジションだからか、かなりぶっとんだ変更になってしまいましたが、その分ライダーマンを意識することなく「4号」としての個性が際立ったように思いますし、ある意味では、3号で思い切ったデザインにしたことで、4号ではさらに思い切ることができたのかもしれません。4号を自然と受け入れられたのが3号のお陰だとすると、3号のデザインもそれほど悲観することはないのでしょうね。もちろん3号のデザインも1、2号と続けて考えるとちょっと変に思うだけで、単体で見ると悪くないです。ただ、やっぱり本来の3番目であるV3が好きなこともあって(V3が好きなライダーファンは多いでしょう)、その存在に成り代わるようにあらわれた3号には、やはり1、2との共通点を残しつつカッコよさを追及して欲しかったですね。まぁV3も、1号2号からはけっこうガラッと変わっているので、そういう意味でも、3号のデザインは間違ってはいないでしょう。ただ、やはり、なんとなーく、3号のデザインがカッコいいのに受けつけにくいのは、そもそも「ボツになっていた3号」とかいう後付っぽい話がネックになっているのでしょうね。実際にはいたらしい3号というエピソードが何とも捏造っぽく、石ノ森さんではない誰かが考えついたデザインだと勘ぐってしまって仕方ありません。仮にちゃんと先生が考案したライダーだとしたら失礼極まりないんですけどね(苦笑)。

【ロイミュードデザイン】
本来、言うほど語ることもないかと思っていたロイミュードたちですが、やはりハートがいつ、どんなときもカッコよかったですし、ブレンの脳みそデザインも初見では驚かされたりと、なんだかんだ印象的なキャラは多かったです。映画でスタッフロールをまじまじと眺めていたときに、そこで始めてロイミュードデザインをSICなどで有名な竹谷さんがやっていると知り、ああ、なんとなくSICだったりリボルテックタケヤっぽい雰囲気があるなぁと納得しました。

ハート、ブレンと「臓器」モチーフがきたので、幹部などはそれで固めてくるかと思いきや、そういうことはなし。でもカッコよくてなんとなく不気味なのはどのロイミュードにも共通していましたね。けっこう「口」があったり、「人の顔」があったりして、怪物というよりは「怪人」であることを重要視しているというか、「人間を学び、人間を支配したい」という行動原理に基づいているからか人間らしさがあり、だからこそ不気味さがあるのかもしれません。チェイサーに関しては、ライダーに戻る際のデザインの兼ね合いもあるからか、ロイミュードっぽさはないですが、そのライダーを封じ込めたようなデザインはそれはそれでカッコイイですし、怪人というより「改造人間」っぽさはこれでもかと感じられるのがいいですね。一応ロイミュードのはずですが、チェイサーも竹谷さんがデザインしたのかな・・・?

ロイミュードたちは、いわゆる個性が出てくる「進化体」の前に、戦闘員のソレのような形態があり、大半のロイミュードたちはその状態のままやられてしまうこともありました。胸に数字が刻まれていたり、バット、コブラ、スパイダーという最低限のバリエーションはあったようですが、どちらかというとこの形態は「戦闘員」らしさに重きが置かれていたようですし、実際そういう立ち位置のロイミュードたちが多かったです。ですが、進化することで固有の姿を手に入れ、それは同時に自我や個性を手に入れるように感じられますし、また、いわゆるいち戦闘員が急に幹部クラスへ昇格するような、そういった演出をすることもできるので、この「進化」というシステムはけっこう革新的ではないかと思いました。108体というロイミュードの総数には最初は辟易しましたけど、戦闘員として消化したり、はたまた進化させることで重要キャラとして登場させたりとバリエーション豊富に扱っていたので、108体も1年で全員ピッタリ消化しましたからね。プロトが000だったり、映画に108が出たりと、数字で重要度を表現できる手法もマル。デザイン面の話じゃなくなってますけどね・・・(苦笑再び)。


【アイテム関係・オモチャとの連動】
ドライブは、とにかくオモチャが不振だったのが残念なところのひとつですが、見ていてやはり警察ドラマ色が強いこともあって、ライダー的なアイテムの話を盛り込むのが難しかったのかな、と思うところが多々ありました。ライダーのフォームチェンジや、新ライダーの登場などはうまく描けていたので、それに準ずるベルトや武器、TKシリーズなどは好評だったと思うのですが、合間に登場したハンドル剣、ドア銃、シンゴウアックスなどはなかなかうまくいかなかった印象。あ、でもシンゴウアックスはチェイサーそのものの人気がありますし、映画や本編クライマックスなどの、主にベルト壊し要因として重要な役割を担っていたので、そういう意味では案外売れたのかもしれません。やはり不振だったんじゃないかと思うのがハンドル剣、ドア銃、トレーラー砲、さらにはライドクロッサーやライドブースターでしょう。


ハンドル剣、ドア銃は、ネーミングのダサさなどは置いておくとしても、作中で単なる武装のひとつとしてしか活躍しなかったのが、子どもや、それこそ見ている大人のファンにも「欲しい!」と思わせられなかったのではないでしょうか。ハンドル剣完成時にディメンションキャブも復活する、というような印象的なエピソードこそあったものの、例えばWで照井が重そうに持ち運んでいたエンジンブレードや、やたらと撃破率の高いメダジャリバーと違って、これといった活躍がハンドル剣やドア銃では思い浮かばないのです。ウィザードでは晴人がかなりの頻度で、生身のままウィザーソードガンを使っていましたが、やはり本作は進之介が警察官という都合上、そして中盤まではライダーの正体を隠していたこともあって、「生身でライダーの武器を使う」ことができなかったのが、案外響いているかもしれません。それを言えば鎧武は生身では武器をまったく使いませんでしたけど、鎧武は大橙丸と無双セイバーの二刀流が印象的でしたし、射撃武器は無双セイバーしかないので、必然的に出番は多い印象でした。武器を合わせてナギナタモードにしたり、DJ銃と合体させれば通称「絶許剣」としても活躍していましたからね。そういう意味で、ハンドル剣、ドア銃は単体での遊びはそれなりに充実していたものの、あまり拡張性がなく、活躍の場もあまりなかったのが痛いですね。

ドア銃に関しては、タイプテクニックでの使い方がかなり好きなのですが、ドア銃そのもののデザインがカッコ悪いですし、それにタイプテクニックの戦い方は、ドア銃がカッコイイというより「タイプテクニックがカッコイイ」ということになっちゃうので、あまりドア銃としての活躍には思えないんです。堅苦しい作品の雰囲気でときおり入るギャグや、ハンドル剣、ドア銃というネーミングは、そもそも「ベルトさん」というネーミングにも通じる部分ですし(進之介命名)、ちょっとした息抜きにはいいのですが、「その武器が好きになる」かどうかは別問題で、いい清涼剤ではあったものの、好きになるほどではなかったのは残念でした。

マッハのゼンリンシューターに関しては、マッハデザインのところでも書きましが、そのデザイン性、そして射撃・打撃として使用できるなど、個人的に好きになる要素が多かったのもさることながら、マッハのメインウェポンなので序盤から最後まで使用されたのも愛着が湧きます。シグナルバイクをシューターに装填し、けれどマッハドライバーを操作して性能を発揮するところは、オモチャ側のローコストによる都合などが垣間見えて、オモチャ側でそれが再現できないのは残念ですが、しかし作中に限定すれば「全ての武装を活かして」いる感が出ていてよかったです。それに再現できないとはいっても、シューターとドライバーを揃えれば再現可能ですし、むしろシューターのみで機能が完結しなかったことで、両方を買ってもらうというバンダイの作戦だったのかもしれません(オイ)。


ゼンリンシューター同様、チェイスのブレイクガンナーも、射撃と殴打、さらにはバイラルコアをチューンできるなど、なかなか小回りが利いて、それでいて最初から最後まで長く活躍しましたね。ブレイクガンナーはゼンリンシューターほど殴打できるデザインには思えませんが、なんとなくメリケンサックに見えなくもないですし、チェイスがけっこう積極的に打撃武器として使用していたので、多分そういうイメージで問題ないのでしょう。ライダーになったことでシンゴウアックスがメイン武器になるかと思いましたが、あちらはいわゆる「ハンドル剣」たちのような扱いになってしまっていて、しかも重量級で長物の斧というのが、扱いにくかった印象を受けました。その代わり、他のキャラクターが使ったり、特にベルトを壊すシーンでは、「スロー演出」や「壊すときの衝撃」や、いわゆる薪割りのようなイメージで壊す絵として映えるからか、よく使用されていました。そういう意味では、本来意図していなかった副産物的な用法だったでしょうけどね。


さて、最後はトレーラー砲ですが、これはまぁハンドル剣、ドア銃に比べると「フォーミュラーを安定させる」などの設定が用意されていたり、より強いロイミュードを倒すための武器だったりして、他の武装よりは存在意義があったように思います。しかし、けっきょく大砲ということで普段使いはしにくい武器でしたし、「フィニッシュ専用」みたいになってしまったのも残念。デザイン自体も好きですが、トレーラーの運転席部分を下にさげるくらいしか可動ギミックがなかったり、あとはシフトカーを入れて音声遊びをするだけというのは、最終武器にしては寂しいですね。DJ銃なら音声の音程変化と変形合体の「絶許剣」がありましたし、バリズンソードも開閉と伸縮がありました。そういう意味では、やっぱりウィザードのアックスカリバーのような役どころが、類似武器と言えるでしょう。しかしあちらも2WAYな使用法があったと考えると、完全にフィニッシュ用なトレーラー砲は、やはり使用状況が限定されてしまっていたのが痛い。DJ銃のように大砲だけでなくマシンガンのような連射もできればよかったのですが、それだとさすがに似すぎてしまいますし、2作続けて似たようなアイテムというのは避けた方がよいでしょう。それなら「大砲」というところから、そもそも離れればよかったように思いますが、車モチーフで大砲以外の最終武器が思いつかなかったのかな・・・。


トレーラー砲のまま、最終フォーム・タイプトライドロンでも戦いましたが、むしろタイプトライドロンで新たな武器が出てきても微妙でしたし、シフトトライドロンによってトレーラー砲のさらなる力が発揮されたのはいいギミック・設定でした。発射するとタイプトライドロンが解除されるという弱点も、作中ではあまり活かされなかったもののいいデメリット設定でしたし、最初に装填するシフトカーで、発射後のフォームが決定するというのも面白い(電子音声の「○○砲」の部分がトライドロン解除後のフォームに)。ハンドル剣、ドア銃、トレーラー砲はデザイン的にはまずまず、というかそれほど悪くないデキでしたし、それはライダーのデザインでも言える話で、けっきょくはかっこよく活躍して、「欲しい!」と思えるかどうかが重要なんですよね。その点、ドライブの武装についてはそのあたりが希薄だったのが残念で仕方ありませんが、ライダーの物語のフォーマットに加えて刑事ドラマも入れるというのはかなり難しい試みだったでしょうし、刑事ドラマの部分が充実していたので、そのあおりをライダーグッズたちが受けてしまったのは、むしろ当然かもしれません。これを両立できていれば最高だったのでしょうけど、そうでなくてもドライブはすでに最高の作品ですからね(ベタ褒め)。


しかし、ライドクロッサー、ライドブースターについては擁護しようのないレベルでダメダメでした。ライドチェイサーとライドマッハーが合体したのは、合体そのものが重要で、戦力としても要所では活躍していましたが、それもお情け程度の出番でしたし、合体というのがむしろ枷になっていた感もあります。まぁもともとこういったデカものオモチャはなかなか販促に成功しませんし、そもそもライダーと大きな乗り物というのは、わたし個人的にはイマイチかみ合わせが悪いと思っているところではありますからね。平成ライダーではけっこう前からこういったオモチャも出してはいますが、作中でうまく活躍し、なおかつオモチャも好評だったのはファイズのオートバジン、電王のデンライナー、スイカアームズくらいじゃないでしょうか。サイズ的には一回り小さいですが、スイカアームズのようにボーイズトイと組み合わせるという意味では、OCCと組み合わせができたオーズのトライドベンダーも、なかなかいいオモチャでした。本作ではその位置をトライドロンが担っていて、こちらのオモチャは好評だったと思いますが、特にライドブースターは誕生の経緯も唐突で、その上これといった活躍をしていないのがかなりのマイナス点。その誕生自体が謎かつ誰からも歓迎されないという忌み子みたいな扱いになってしまったのは、むしろ可哀想なのかもしれませんが、それほどバンダイのゴリ押しがあったのかなと邪推せずにはいられません。ドライブにトライドロン以外の乗り物をあてがうような暴挙ですし、ライドクロッサーを持て余してしたのに、そこにライドブースターなんて処理できるはずがないですからね。むしろライドブースターの登場がわかったときに視聴者の大半がその扱いを懸念して、心配したとおりの扱いで終わってしまったという感じです。ドライブは傑作ではありますが、そんなドライブにある数少ない汚点のひとつと言えるでしょう。


【舞台設定・作品の基本構造・ロイミュードという敵について】
ロイミュードが存在するということ以外はそこそこ現代に近い時代・世界観でしたが、りんなさんがトンでも装備をポンポン作っていたあたり、それなりに科学は発達しているのかもしれません。まぁそうでないとロイミュードが誕生しないでしょうし、科学レベルを向上させるクリムのような科学者たちがいたことの方が大きいでしょう。ラストでコア・ドライビアを封印とありましたし、このコア・ドライビアが色んな分野で活躍していた可能性もありますね。重加速警報とかにも。

そんな世界を舞台にした本作ドライブですが、刑事ドラマを基本に、ときどきライダーテンプレートに沿った熱い展開があるのは非常に巧妙にからみ合っていて、これらがうまく相乗効果によって盛り上がっていたのはけっこう意外でした。といっても似たような構造は仮面ライダーWもそんな感じでしたし、子供向けだからといってライダーは青年に設定されていることが多いので、それなりにストーリーは広がりを持たせることができるので、いわゆる女児アニメや少年向けアニメのような主人公が「子供」というよりは、やりやすかったと言えるでしょう。ですが逆に大人向けになりすぎて、ところどころ難しい内容になってしまったきらいはありますが、そもそも子供は話なんてしっかり見ておらず、ライダーがカッコよく活躍していればいいんじゃないかというのは、今までのライダーの評判や売上を見ても明らかです。そういう意味では、むしろ大人向けに振り切ったことで、しっかりした物語を見たい大人も巻き込むことができた、と言えるでしょう。その分ライダー側のストーリー展開が難しくなり、ライドクロッサーやライドブースターのような悲劇が生まれたと言えるかもしれませんが、この2つに関してはバンダイによるゴリ押しの可能性もあるので深く追及はできません。仮にそうであった場合、そこを除けばドライブという作品はパーフェクトだったということになりますからね。

作品のテーマとしては、刑事ドラマ風にするというところ以外に、やはり人間VSロイミュードというところが大きいでしょう。というかそれがメインテーマで間違いありません。ハート、ブレン、メディックたちは最初こそ、よくある「敵幹部」という感じでしたが、次第にその人間性のようなところが描写されていき、「ロイミュードも悪いやつばかりじゃない、人間にも悪いやつはいる」というところが進之介を揺るがしていきました。人種問題などのときにもこういったロジックはよく出てきますし、これを描いてくれる作品は否応なく名作であることが多いと感じるのはわたしの主観ですが、それほど間違ってはいないでしょう。犯人が「アニメ好きだった」というだけでアニメファン全員が犯罪者のような目で見られたり、日本で外国人が異常犯罪を起こすと、その国の人全員が異常犯罪者に見えてしまったりするのは、人間をカテゴリ分けというか、所属しているグループで考えている思考回路が問題なんですが、それは普段の生活に活かされているところもあるので、一概に批判はできません。しかし、その思考も用途やTPOを考えて使用するべきで、進之介も色んな事件を経験することで、その事実に気づいたのでしょう。大雑把にカテゴリ分けしてしまうと、犯罪を起こす人間が属しているカテゴリ=悪であり、場合によっては同じ人間である自分も悪と断定しなくてはならないですからね。悪いやつは悪い、イイやつはイイ、という考え方をした方が真実を捉えやすいですし、そうした場合、ロイミュードも絶対の敵ではないと考えることは可能です。

ロイミュードが人間を支配したがっている、生態的に人間の上位にいるというところで、敵対関係になるのは致し方ないですが、それはライオンとシマウマのような食物連鎖的な関係であり、ロイミュードには敵意らしい敵意すらなかったでしょう。持ち合わせていたとするなら、最近あったアベンジャーズのテーマに近い、「造物主への反乱」のような、神に対するコンプレックスのような感情でしょうか。そう考えると、ロイミュードは危険な存在ではありますけど、明確な「敵」と呼ぶのはちょっと違いますし、人間と理解しあえる存在であるならば、友好を結ぶという展開だって考えられます。しかし、ハートたちは自分たちの存在意義をかけ、最後まで人間との戦いを望みました。一時共闘したとはいえ、そこは揺らがなかったのでしょうし、作り手によっては揺るがす可能性もありましたが、微塵も揺るがさなかった展開はお見事。こういうところでブレるとキャラのブレ、果ては作品の骨子すらブレてしまうという事態に陥ることもありますが、そのあたりドライブはしっかりしていました。ハートたちにはすでにどっぷりと感情移入してしまうくらい視聴者の大半がいれこんでいましたし、そこに配慮した作りをすることも可能だったでしょうけど、それじゃあ彼らのこれまでが無駄になってしまいますし、ロイミュードという存在たちの「儚さ」みたいなものが消えてしまいますからね。最後まで自分たちの信念、存在意義をかけて戦ったからこそ、尊くて、悲しいんでしょう。そこでブレてしまっては、ブレン死亡などで出た涙もひっこむというものです。


【シナリオ関連】
ロイミュードたちの扱いも上手だったように、脚本の話運びは最初こそ退屈感が多かった気もしますが、全体的に良好で、特に最終章に入ってからの評価はうなぎのぼりでした(わたしは序盤も好きですが)。最初は平成二期にありがちな「お悩み相談」とばかりに単発の事件を解決していきますが、ボルトロイミュードのときのように話数をかけて長めの話になったり、逆にロイミュード072のときのように1話完結でスパッとテンポよい内容になっていたり、多少変則的ながらそれがうまい按配で盛り込まれていました。そして特筆すべきは、進之介の父・英介が死んだ事件の真相、フリーズロイミュードとタイプトライドロンによる中盤の盛り上がりが、一つの山場となっていたことでしょう。

このあたりの長編は話数をかけすぎていたので人によって賛否ありましたが、主人公最大の障害であり克服すべきハードルだったと思いますし、タイプトライドロンという最終フォームお披露目のためにはこれ以上ないくらいのシチュエーションでした。ここでの盛り上がりの熱が最終章突入によってさらに燃え上がり、このテンションが最後まで維持されたように感じましたし、そのためにはあの進之介死亡からタイプトライドロン登場までの経緯があったからこそだと思っています(その後の英介殺害の犯人逮捕まで含む)。そういう刑事ドラマとライダードラマの融合が実に心地よく、だからこそアイテムがあまり活かされていなかったのは残念な限りですが、この面白さのバランスを失うくらいなら、この方向性でよかったと思います。「子供はついていけているんだろうか?」と心配したくなるくらいの内容でしたが、子供はカッコイイライダーが出ていれば満足するのは前作で判明したことですし(オイ)、むしろ大人すら真剣にさせる内容だったと言えるのではないでしょうか。


【固有ギミック・作品の個性について】
ライダー+刑事ドラマという強すぎる個性があり、それをじゅうぶんに活かしているので、それ以外に特殊なギミックというのはあまりありませんでしたが(主人公が働いている、ライダーの正体を隠している、普段使える武器は拳銃程度など)、加えて本作特有の要素といえば、人をコピーするというロイミュードの特性と、重加速という現象でしょう。どちらも仮面ライダーカブトで見たワームと特性が酷似していますが、そこはスタッフ側も把握しているのか、ワームのコピーと違ってロイミュードのコピーはコピー元を必ずしも殺す必要はないようですし(あれ、ワームもそうだっけ?)、ワームと違って羽化というギミックもありません。その代わり進化がありますが、あ、そういえばこのギミックは羽化と似ているかも(今さら気づく)。重加速というのもクロックアップと似ているというのはライダーファンならすぐに思いつくことですが、1話を見た時点でそこに違いがあるのもすぐにわかりました。クロックアップは時間の流れを変えて高速化するので、周囲の人間には感知できないほどのスピードで動くことが可能ですが、重加速は周囲のスピードを遅くしているので、「重加速エリア」のように特定の範囲がその影響を受けたり、そして影響を受けても人の精神は影響を受けないので、「体がゆっくりしか動かない」という状況になるのはなかなか恐怖を感じていい設定だと感心しました。怪物が迫っていてもどうすることもできない、というのが実に恐ろしいですし、そういうときこそ「ライダー助けて!」と叫びたくなるでしょうからね。そういった色んなことを想像したくなる、いい設定でした。

ロイミュードが進化→融合というパワーアップを経たように、進之介も単なる変身から、ベルトさんと魂を融合させるなど、ロイミュードとライダーが同じような進化を遂げていったのも面白いです。ライダーのエネルギー源は敵と同じもの、というのは初代ライダーから続くお決まりみたいなものですが、本作もそれをうまく表現していました。といっても今までのライダーほどわかりやすく「敵と同じ力」という表現はされてなく、時折単語として出てきた「コア・ドライビア」を使っている、というところなんでしょうけど、具体的なパワーの源はあまり明言されていませんでしたね。ときどき「シフトカーの力」なんて言っていたりしましたが、すなわちそれが「コア・ドライビア」だったのでしょう。最終的に超進化したロイミュードに対し、ドライブは超進化的なことは起こりませんでしたが、超進化したフリーズロイミュードを倒したことから、タイプトライドロンがドライブでいう「超進化」と呼んでいいのかもしれません。すでにタイプスピードの時点で進化体を普通に倒せていましたから、あの進之介+ベルトさんの構図は、ロイミュードでいう融合進化体なのでしょう。進化体と同じような条件のライダーというと、むしろプロトドライブがパワー関係的には近いのかな?

ロイミュードのコピー能力は「誰が犯人なのか」という犯人探しがより難解になったりと、刑事ドラマと相性がよかったのもありますが、重加速によって影響を受けるのはライダーではなく主に市民、刑事で仮面ライダーであるドライブが守るべき人たちですし、そういった影響範囲の違いなどがストーリーにマッチした作りになっていたのが成功の要因の一つでしょう。仁良や真影の話あたりから「ロイミュード=悪」の図式も崩れはじめ、真の悪と呼んで差し支えない蛮野も登場し、人間VSロイミュードの戦いはさらに熱くなっていきます。一応ラスボス的存在では蛮野やシグマが挙げられるでしょうけど、本当に戦うべき相手はやはり「ロイミュード」という生命体、いや「種族」そのものだったでしょう。種の生存をかけた戦いこそが主題であり、それも見事に描ききりました。ラスボス後にあの一対一の決着があったのはかなり大きいですね。ラスボスとの一対一は比較的ありますが、むしろラスボスを共闘で撃破、その後ライバルと一対一というのは今まででもあまりない、というか例がないのではないでしょうか? それだけ、生存のためには手を取り、しかし最後には決着を付けるという生態系の意地・・・ではないですが、それだけお互いの種をかけた戦いだったと言えますし、最後に持ってくるくらい大事なことでした。


【総括】
刑事ドラマとライダードラマのかなり相性の良い融合、さらにそれぞれを活かすかのような設定や話運びで、序盤の展開やデザインでリタイアした人以外はかなりの好評価な印象を持って終わった傑作ではありますが、ストーリー性重視のためか、それともバンダイのゴリ押しか、ところどころ残念な部分がありました。しかし、去年の鎧武にあったコラボ回しかり、ライダーにはところどころダメな部分があるものですし、むしろ「これくらいで抑えられた」という意味でも、ドライブはかなり安定した作りになっていたのではないでしょうか。

ルパン、3号、ダークドライブと三回映画がありましたし、それに準じた内容も本編であったので、映画を見ていないと「?」というところは多少ありましたが、見ていなくてもギリギリ許容できる範囲のコラボだったりして、それでいて無理矢理ではなく自然なので「映画を見たくなる」ようになっていたのが巧妙でした。難しかったのでしょうけど、去年の鎧武はがっつりキカイダーだったりして、しかも本編の流れを無視するような入れ方だったりしたのは、むしろヘイトを集めて逆効果になっていたように思いますから、そういう部分も抜け目がなく、「仮面ライダードライブ」としての完成度が高めてありました。

もちろん欠点もいくつかありましたし(脚本ごとのキャラクターのわずかなブレなど)、ゴーストとのコラボはいくらいい内容であっても「仮面ライダードライブ」としては異物に近いので、そこはとても残念ではありますが、バンダイのゴリ押しによる(邪推)残念な部分はすでにいくつか散見されていたので、「どうせ入れるなら」とばかりに良エピソードに仕立て上げてくれたのはドライブスタッフに感謝ですし、このことでゴーストにヘイトを集めることもないでしょう。この件でゴーストを厳しい目で見てしまうと、それこそ先入観によって正しく評価できていないことになりますからね。ただ、そうなるように仕向けたであろう、この構成を考えた人にはちょっとモノ申したいですが。ライダーを「十数年続くシリーズもの」として意識すると、こういったコラボも違和感はないですが、やはり一年を区切りとした「単独長編もの」という視点で見てしまっているので、その作品のみで完成度を高めて欲しいですし、コラボのようなものはよほど「お祭り感」を出したスペシャル構成みたいな感じにしないと、変に本編に沿うと異物感がすごいんですよね。逆にレンジャーコラボとかの方が、はっちゃけていて、それでいて本編とは切り離して考えられるのでわたしは好きです。

でも、ライダーに変身しない進之介を描いたり、ハートと決着をつけた実質最終回で進之介・霧子のエピローグだけ描かれていなかったりして、この真の最終回がコラボ回だろうとしっかり描ききる、というところにドライブがいかに素晴らしい作りをしていたかがわかります。並の作り方をしていたら、ラストのコラボ回でここまで最終回らしく描くなんて無理でしょうからね。変にゴーストを引き立てたり、逆にドライブに重きを置きすぎたりという碌なことにならない予感がプンプンします。あの条件でしっかり最終回を描けるのは、スタッフたちの信念、技量、そして柔軟に考えることができる頭を持っているのも大きそうです。やっぱり作り手は、どこかで頭でっかちになってしまうものですし、それが押し付けがましい展開になってしまったり、説明を怠った超展開になってしまったり、大胆なカットで原作ファンの反感を買ったりしてしまいますからね(スポンサーからの無茶振りもあるでしょうけど)。そこをしっかりと、高いクオリティで描いたところがまずすごいですし、他の作品と違ってむしろ自由が効きにくいであろう「仮面ライダー」というフォーマットでそれを成し遂げたというのがすごい。ドライブがあの最終回へ辿りつけたのも今回のスタッフさんたちの手腕ですし、その腕があれば、むしろこの内容を仕上げるのは造作もなかったかもしれません。もしバンダイがドラマ内容にあまり口出ししない寛容な性格になったのであれば喜ばしいですけど、ライドブースターなんて作るくらいですから、そこはあまり期待できそうにないんですが、どうなんでしょう? オモチャだけ作って、その活躍方法はドラマ班に丸投げとか、そういう感じだったのかな?

とにかく、総括といいながら長くなってしまいましたが、けっきょくのところストーリーのクオリティは素晴らしく、「しっかりした内容」を見たいのであればまっさきにドライブがオススメできるくらい好きになった作品です。こんなことを書くとむしろライダーっぽくないんじゃないかと不安になりますが、ちゃんとライダーしていましたし、ライダー+刑事ドラマというのが異色なはずなのにマッチしていたのが本当に驚きです。ただ、いわゆる「平成二期ライダー」らしい「たくさんの小物」だったり「デカものオモチャ」の扱いはやはり四苦八苦していたように思うので、それらが効果的に登場するWやオーズ、フォーゼなどをドライブの次に進めると面食らわれるかもしれませんが、そこはまぁ別ライダーということで別の楽しみ方をしてもらえばいいでしょう。一年間楽しめた作品でしたし、今までのライダー作品と比べてもかなり上位に入る・・・むしろ一位に踊り出たかな、というくらい面白かったドライブ。ライダーの面白さはその1年のテンションに影響されるといっても過言ではないので、ゴーストも批判的な目ではなく、まずはまっさらな状態で評価を下したいですし、できることなら1年間「ゴーストらしさ」で楽しませて欲しいですね。

というわけで、仮面ライダードライブ感想でした。

ドライブの物語としては、残すところ次の映画やVシネマ等がありますが、それらも蛇足になることなく高クオリティの内容を作ってくれそうなので不安がまったくないのが頼もしいです。ルパンや3号、4号は不覚ながらまだ未見ですし、ドライブは0話といった外伝や、ルパン完結編などもあるようなので、感想は書かないとしても、それらもちゃんと全部見ておきたいですね。好きなライダ-作品でも、映画や外伝まではチェックしきれていないことが多いわたしですが、ドライブは全部チェックしたくなるくらいのパワーや魅力を感じています。今までのライダーがそうでなかったというわけじゃないですが、ドライブにこれだけハマりこんでいるということは、やっぱりそれだけわたしはドライブが好きなんだろうなぁと実感しますね。

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