寄り道ブログ
寄り道な人生をしています。読んだ小説や、見た映画・アニメの感想などを投稿していきます。
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TVアニメ モンスター娘のいる日常 まるごと感想&所感
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 ノーマーク、というほど眼中になかったわけではないですが、放送開始当初は特に気にしてなかった本作。一挙放送を気に見てみて、単なる「人外萌え」だけに終わらない見どころの多い作品でした。・・・って、いつのアニメを今更感想してるんだわたしは(遠い目


【あらすじ】
何の変哲もない青年のところへ、ラミア族の少女がホームステイするところから物語は始まります。人外(異種族)がいる世界観を持つ本作は、異種族との交流やそれに付随した法律などが存在し、そんなファンタジーというよりはSF的世界観を帯びた現代社会で、主人公こと公人は色々な異種族の少女たちを受け入れていきます。ハーピィ、ケンタウロス、スライム、人魚、アラクネ・・・そんな少女たちに囲まれて、死の危険を感じながらもムフフなシチュエーションを味わっていくのが、本作の基本的な主旨と言えるでしょう。


【きっかけ】

この作品をどうやって知り、なぜ触れたのかということを語っておくと、もともとは徳間書店発行のリュウという雑誌にて連載しているマンガが原作でした。連載開始時には「人外萌えマンガが出た!」と話題になり、そのときに名前や作品の雰囲気だけはうっすらと感じたものの、よくある「ニッチな層」を狙ったマンガなのだろうと気にとめていませんでした。ニッチな作品は、大衆(大勢)を狙わない分、コアなファンがつき、狭く深い人気が出ることがあります。人外娘はエロの分野でも、汚物系や同性愛モノのように(下世話な話でスマナイ)一般的とは言いがたく、そういう意味で「ニッチ」なのは間違いありません。しかし、アニメなどのエンタメ作品で「ニッチ」は決して不利・魅力不足な要素ではなくなっています。

例えばドラマなどでもそうですが、海上自衛隊だったり司書だったり弁護士だったり、あまり馴染みのない職業の話は、それだけで魅力的に感じるものです。アニメでも単なる「高校生」ではなく、「アイドル」、「アニメーター」、「仲居」など、馴染みのないものほど話題になりますし、そういう意味では視聴層に大多数の大人(成人し社会に出ている人)が含まれているアニメという媒体では、「高校生」すらニッチな題材と言えなくもありません。そして、そういうものは、ただニッチであるというだけで、他の作品にはないアドバンテージがあるのです。トリビアというか何というか、「その世界」でしか知られていないこと、そういった些細なことが、すでに「魅力的」なんですね。ドキュメンタリーもそうですが、珍しい職業、人口の少ない職業の話などは、なかなか興味深いことが多いです。だからこそ、こういった作品は細部のディテールまでこだわる必要があるものの、往々にして作者はその「ニッチな世界」の住人であることが多いですし(でなければ詳しく描くこともできない)、コアなファンも納得するディテールには問題ないでしょう。そして、そういった細部まで行き届いたこだわりこそが、人を惹きつける魅力になるのです。

ニッチな作品がコアなファンにヒットするのは当然として、それが「大衆受け」できるポテンシャルを秘めていれば、それは一気に広まって大人気になることでしょう。その点、ドラマなどでは「警察」「病院」などが受けたこともあって、そういった作品がかなり乱発されていますが、常に一工夫加えてそれなりに面白い内容に仕上がっています。あれらはもうニッチを通り越して「警察モノ」「病院モノ」というジャンルにまで昇華していますが、「人外娘」というのも、それくらいのポテンシャルはあることでしょう。それでいて、アニメではなかなか見なかった設定ではあるので(出てきたとしても要素のひとつであり、メインテーマにはなっていなかった)、「このジャンルの先駆け」としてチェックしておきたいつもりはありましたし、それが「ただニッチなだけ」で終わるのかどうかを見極めるつもりもありましが、それがいやはや、やはり細部にこだわりはありましたし、気持ちのいいエンタメとしても仕上がっていて、ニッチさを取り除いても十分通用するアニメになっていたと強く断言できます(ミイラ取りがミイラになったなんて言わない)。


【監督・吉原達矢】
吉原さんと言えば、直近では「夜ノヤッターマン」が記憶に新しいですが(実はわたしは絶賛していた割にはまだ途中までしか見れておらず、対して深く語れないのが残念です)、さらに昔に遡れば「波打際のむろみさん」でも監督をされていて、この作品も本作と同じく「人外」な要素があり(人魚などが大半ですが)、さらに言えば「ギャグ」もあり、それでいて「気持ちのいい作画」があることでも、本作「モン娘」とは共通点が多いです。

吉原監督は夜ノヤッターマンのOPでも気持ちのいいアクションをしてくれましたし、このあたりは得意分野といったところでしょう。アニメは作業を機械化することできない職人技のような部分がありますし、アクションに爽快感が出ているのは「良いアニメーター」であることのひとつの指標ではないでしょうか。むろみさんと同じく人外アニメを担当することになったのは奇遇としか言えませんが、あちらの本作も「ヒロインがグイグイくる」ところが似通っていて、かつアクションが「気持ちいい」ところも共通しています。「モン娘」を好きになれたのは吉原さんの力によるところが大きいでしょうし(個人的な好みの話ですが)、そういう意味でも、彼を起用してくれた出資者やプランナーには頭が下がるどころか、感謝感謝の言葉を送りたいですね。


【規制解除版の存在】
コミック雑誌リュウが人体をどこまでさらけ出して描くのかよく知らなかったのですが、「モン娘」は原作にも際どいシーンや胸が丸見えのシーンがあり、それをアニメでも表現するとなった場合、やはり放送コードなどが障害となったようです。それでも一部の放送(?)などで白いモヤや光を解除した、いわゆる規制解除版を放送していて、しかもその局部等のクオリティは、一切手抜かりない仕上がりでした。セクシーな描写を売りにしたアニメで、光線などで際どい部分を隠すことで円盤を販売する商法がありますが、それはある意味「円盤を買わせた時点で勝ち」な戦略ですし、正直なところ隠した局部に気合を入れる必要はまったくありません。そのせいか、いわゆる「ガッカリ乳首」なんて単語すら誕生してしまう始末ですが、本作はそういうファンすら引き込むような、見事な乳首をしていました(下品で申し訳ない)。

モンスター娘というのが、そもそも「エロ」の分野からやってきたといって差し支えない存在ですし、原作も「人外娘とイチャイチャする」要素が皆無というわけではありません。際どいシーンがあるのは当然ですし、そこを光線で隠したからといって、規制解除版の手を抜かない姿勢は、本作に限らず尊敬できるところです(規制解除という円盤商法は基本的に好きではないですがね)。それがギャグであれエロであれアクションであれ人外描写であれ、まったく手抜きを感じずに作り上げられていたところが、本作の主旨とは打って変わって真摯的ですし、その姿勢が作品から感じられるからこそ、時折語りかけてくるメッセージにも説得力などが増しているように感じられるんですね。


【ファンタジーとSFの狭間】
モンスター娘と言えば、アダルトゲームなどではファンタジーな世界観に属していることが多く、まぁアダルトゲームでなくても獣と混じった種族は、ファンタジー世界の方が相性が良いでしょう。「ただ存在している」ことに理由がいりませんからね。しかし、本作の舞台は現代社会。一応モンスター娘は政府が秘匿していたのを「公表した」という設定で、さらにはそれに伴う「他種族間交流法」なるものも制定されます。このあたりはまだ現実に「あり得なくはない」範囲内ですし、裏を返せば「ありそう」な展開です。想像しやすい、けれど現代社会とは違った世界観というのはSFとして優秀である条件ではないでしょうか。さらにこの多種族間交流法が非常にうまい設定で、「人間が他種族を傷つけられない」のと同様に、「他種族も人間を傷つけてはならない」というのが、人間と他種族のパワーバランスをいい具合に保っていて、人間たちに心ない言葉などを浴びせられたときの主人公の振る舞いはすごくカッコイイ。何も取り柄がない、冴えない青年のような描かれ方をしていても、そういうシーンがあったり、他種族を受け入れる度量、そして他種族に多少欲情しているあたりが、「本作の主人公」としてピッタリな性格・設定をしていました。

他種族との交流は、主に「人間以外の部分」からくるカルチャーギャップのところがメインで、まぁこれは宇宙人が地球の生活を学ぼうとしたりするシーンなどに類似しますが、どちらにせよ「蛇は変温動物」だったり、「鳥頭だからすぐ忘れる」だったり、「人魚だから全身がヌルヌルしている」といった描写は、モンスター娘ならではで、そのあたりをピックアップしていくところは、世界観設定も含めてSF的だと言えます。ファンタジーだと、モンスター娘の登場は設定的にも容易ですが、同時にモンスター娘は「常識」であることが多く、いちいちそういった特徴をピックアップしないんですね。まぁ、その種族が未発見だったり何だり、理由付けはいくらでも可能ですが、やはり本作のように「現代社会」的で「モンスター娘」という設定なのが、ちょっとした「思考実験」みたいで面白いんですね(もしも~だったらという仮説や想定)。

モン娘たちの「人間以外の部分」を取り上げていくのは生物学に通じるような楽しさがありますし、それらにフォーカスを当てつつモン娘との絆や主人公の度量、そして彼女たちとのイチャイチャをバランスよく描いていくのは、わたしの好きである「ギャグとシリアスのうまい融合」と、「1話完結でありながらしっかりと連続した内容」も満たしていて、個人的には文句のつけどころのない作品でした。同ジャンルで本作が先陣を切ったのも運がいいというか何というか。人外娘がすでに溢れかえっていた状況だった場合、本作に惹かれたかわかりませんし、本作がこれほどの力を入れた作りになっていたかも想像がつきません。そういう意味では、色々と運が良かったのかもしれませんが、良いアニメに出会えるか、良いアニメが出来上がってくれるかは運による巡り合わせが大きいでしょうし、今回はそれがうまく合致してくれたんだと感謝するしかありませんね。


【総括】
エロ、ギャグ、アクション、シリアス、どれも高いクオリティで描かれている上、そのSF的世界観を土台とした設定は個人的な好みにもガッチリとハマり、さらには生き生きとしたキャラクターたちを描き切った本作に不満な要素は一切ありませんでした。これほどベタ褒めする作品も珍しいなぁと個人的に思い、あえて悪い点を探してみようと躍起になってもなかなか見つからないくらい、本作は「真面目」に作られ、そして「嫌味」に感じる部分もない、「気持ちのいい」作品でした。

あえて難癖を付けるのであれば、「モンスター娘」という題材がエロに特化しすぎているというか、そっち方面の方々を狙い撃ちしたようなアニメ化のチョイス&タイミングでしたが、そういったファンだけでなく、わたしのような(?)ファンも取り込めたところは本作の魅力ですし、このジャンルの開拓者としての使命感のようなものも感じました。ニッチなジャンルは意外とその一歩が大事だったりしますし(失敗すると、ビジネスということもあって後続が続きにくい)、その認識のもと本作が作られたかは定かではありませんが、先駆者としては恥ずかしくない内容となっていましたし、仮に先駆者であることを意識しないで作ったにも関わらず自然とこういう形に仕上がったというだけで、本作を作った方々の意気込みや真摯な姿勢が感じられますね。

というわけで、モンスター娘のいる日常のまるごと感想でした。

ちょっとだけ俗っぽい(?)話をさせていただくと、本作ヒロインではスライムのスーが人気のようですが、わたしは声優さんも含めてデュラハンが好きだったりします。ですが基本的にみんないい子でお色気要素もあり、そのバランス配分も見事だっただけに誰かに絞りにくい、というかみんな個々の魅力があり、「みんな似たり寄ったり」なハーレムものと違って、「みんなそれぞれに魅力がある」という理想的な構造も出来上がっていました。

人外娘だとただの人間と違って個性を出しやすい利点がありますし、やはり原作者の方がモンスター娘に並々ならぬこだわりを持つからこそ描き分けることができたと言えるでしょう。テンプレートな形が定着してしまったハーレムものにも一石を投じたんじゃないかというほど、ハーレムもの、ラブコメものとしても理想的な構造をしていましたね。それでいて斬新というより王道に感じられるのは、モンスター娘という目を引くところはあれど、人間関係やストーリーラインといったところは王道を踏襲しているからでしょうね。王道の素晴らしさ、ハーレム・ラブコメで何が大事かをよくわかった上で描かれていたからこそ、本作を見て「面白い」という感想が浮かぶのでしょう。




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