寄り道ブログ
寄り道な人生をしています。読んだ小説や、見た映画・アニメの感想などを投稿していきます。
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新潮文庫 エディプスの恋人 感想
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 筒井康隆さんの著書にして、七瀬シリーズ三部作の三作目です。読んでない人はネタバレ注意です。
 一作目か二作目の解説にあった「一作目は家庭との戦い、二作目は国との戦い、三作目は神との戦い」という文言と、二作目ラストの七瀬が死んでしまう展開から、ワクワクして読み始めました。なので三作目の始まりは前作とのつながりがなさすぎて理解するのに時間がかかりました。そしてその理解も、エディプスの恋人のラストに近づいたときには間違っていたことに気づかされました。

 いきなり高校の教師(事務員?)をやってる七瀬。そして超能力の仕業らしい事件が起こり、その真相に迫るうちに大いなる神の存在に近づいていきます。そして、その世界がどういう世界なのかを理解します。そのどんでん返しこそが、この作品最大の仕掛けでありこの作品最大の見所になるでしょう。
 だからこそ、それまでの積み重ねのような展開が長く、前の二作のような短編集的構成が好きな人は少し退屈かもしれません。

 神の正体、そして神の性格や行動、神の視点を得たときの七瀬などの表現はなかなか壮大で、リアリティがありました。見たことないような景色のはずなのに、容易にその場面が想像でき、作者の描写力がやはりすごいのでしょう。そのお陰で神が本当にいるかのような説得力が出ていました。女性的な社会になりつつある、と現代を予測したような言葉には驚かされました。こういった鋭い着眼点がSFらしさを出していて、さらに神の存在に説得力を持たせていました。

 七瀬シリーズの最後を締めくくる文句なしの作品。前の二作が好きだったなら、読む楽しみは少ないかもしれませんがシリーズの終わりを見届ける意味でも読んで損はないかと思います。
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